ozVGA・VGATodayItems 〜W-ZERO3 RealVGA化〜

1.概要

W-ZERO3VGA(480×640)の解像度がありますが、WindowsMobile5の無駄に太いメニューバーや、解像度がVGAでもレイアウトがQVGAベースなPocketIE等のため、VGAの恩恵が今ひとつ享受できません。何とも勿体ない話です。
このレビューでは、簡単にW-ZERO3をRealVGA化してくれる ozVGA(WM5対応版) と、Today画面の不在着信等のアイテム行を広げて、RealVGA化時でも字がはみ出ないようにするツール VGATodayItems を中心に、現在のRealVGA化について、まとめてみたいと思います。
RealVGA化の方法は、新しいツール等の登場で、徐々に変わってきています。ネット上でW-ZERO3のRealVGA化に関する記事は色々とありますが、古い情報も中にはあります。このレビューでは、なるべく新しい情報を取り入れて、今後も更新を継続していければと思っています。
(追記)ここしばらく、レビュー更新がストップしてしまってます(汗。
最近の情報については、とりあえず、私のBlogのRealVGA化関係のエントリーをご覧下さい。

(注意)
RealVGA化は、必ず成功するとは限りませんので、初心者の方にはお勧めしません。環境によっては、W-ZERO3の動作に異常を来す場合もあります。初めて試される方は必ずバックアップを取ってから行って下さい。
また、W-ZERO3をフォーマットリセットすることになったり、何らかの問題が生じる可能性もありますので、自己責任でお願いいたします。<(_ _)>


2.W-ZERO3 RealVGA化手順 要約

手っ取り早く、RealVGA化の手順がわかればいいという方向けの要約です。

  • MUI公開所で、ozVGA.cabを入手してインストール。ozVGAを起動して、画面左下の「ozVGA!」ボタンを押せばリセットされて、RealVGA化完了。

ozVGA.cabの配布は終了になりました。その辺りはこちらを参照下さい。ホーミンさんが紹介される方法を使えば、おそらくより完璧なRealVGA化ができると思われます。とりあえず前と同様の方法で手っ取り早くRealVGA化されたい方は、ozVGAのWM5対応版(現在ファイルが消えていますので、WebArchiveから)と、MUI公開所からコントロールパネルの配置変更MUIを導入して下さい。ozVGA.cabはこの二つを一気にインストールする物でしたので、個々にインストールしても結果は変わりません。その辺りの手順は、参考記事にあります、シップさんの記事が参考になると思います。

  • VGATodayItemsを入手してインストール。Today設定から「電話(不在着信)」「Eメール(ウィルコムメール)」「ライトメール」のチェックを外し、「TelephoneVGA」「WillcomMailVGA」「LightMailVGA」にチェックを入れれば、Today画面の各情報行の文字はみ出し解決。
  • MUI公開所で、各種海外ツール用のRealVGA化対応版の日本語化MUI・パッチを適宜入手して、インストール。
  • shellres.dllのRealVGA用MUIを適用し、MUI公開所のコントロールパネル用配置変更MUIでも変更されない、コントロールパネル画面のレイアウトを調整する。また、標準メールソフトのオプション設定画面の配置を調整してくれる、outres.dllのRealVGA用MUIを必要であれば適用する。(※このMUIの適用により、多大な問題が発生する可能性がありますので、適用する場合は特に自己責任で)

3.W-ZERO3のRealVGA化 過去の経緯

ざっと、過去の経緯について触れておきます。適当に読み飛ばして下さい(^^;。

RealVGA化するozVGAというツールがあります。ただこれをインストールすると、色々問題が発生するため、あまりお勧めできるものではありませんでした。
しかし、TK109さんのブログで紹介されていた、ozVGAのWM5対応版を使えば、W-ZERO3でも致命的な問題を回避してRealVGA化できるということで、W-ZERO3のRealVGA化が広まり始めます。

ただし、ozVGAのWM5対応版でも、問題点があります。

  • RealVGA化した時、コントロールパネルの各設定画面上の文字が切れてしまう。
  • Today画面の「不在着信」「メール」「Eメール(ウィルコム)」「ライトメール」の情報アイテム行で、文字がはみ出てほとんど見えない
  • SIP(ソフトウェアキーボードや手書き入力パネル)が使えない

これらをある程度解決する方法を含めて、以下、簡単にできるW-ZERO3でのRealVGA化について、ご紹介します。



4.ozVGA cabインストールファイル で、一発RealVGA化

ozVGA インストール・実行

ozVGAのWM5対応版と、コントロールパネル各設定画面で文字がはみ出ないように調整するMUIを、まとめて一つにしたcabファイルを、id:danceinthemoodさんが公開されています。このファイルのおかげで、RealVGA化・RealVGA解除が、お手軽・簡単にできるようになりました。

目立たない所(^^;にありますが、RealVGA化、の所から「ozVGA.cab」がダウンロードできます。このcabファイルをW-ZERO3で実行してインストール。

(追記)
ozVGA.cabの配布は終了になりました。その辺りはこちらを参照下さい。ホーミンさんが紹介される方法を使えば、おそらくより完璧なRealVGA化ができると思われます。とりあえず前と同様の方法で手っ取り早くRealVGA化されたい方は、ozVGAのWM5対応版(現在ファイルが消えていますので、WebArchiveから)と、MUI公開所からコントロールパネルの配置変更MUIを導入して下さい。ozVGA.cabはこの二つを一気にインストールする物でしたので、個々にインストールしても結果は変わりません。その辺りの手順は、参考記事にあります、シップさんの記事が参考になると思います。



インストールが終了後、スタートメニューのプログラムから、ozVGAを実行すると以下の画面が表示されます。


  • RealVGA化前の時は、左下のボタンが「ozVGA!」になっています。このボタンを押すと、リセットされ、RealVGA化されます。また、RealVGA化前なのに「SEvga!」になっていることがあります。その時は、一度このボタンを押してリセットされた後(まだこの段階ではRealVGA化されません)、もう一度この画面を開くと、今度は「ozVGA!」になっていると思います。それでもう一度ボタンを押せばリセットされて、RealVGA化されます。
  • 逆にRealVGA化後の時は、左下のボタンが「SEvga!」になっています。ボタンを押せば、リセットされて、RealVGA化が解除されます。

RealVGA化した後のGSFinder+の画面です。広く使えていい感じです。(^^)

ozVGAのフォントサイズ指定

上のGSFinder+の画像を見ると、ファイルパス欄のフォントが少し大きめで太くなっていますので、これを少し調整します。
RealVGA化時・解除時のフォント設定は、先ほどの ozVGA画面にある「Settings...」ボタンで開く、この画面で行います。

左側のSEvga列がRealVGA解除時のフォント設定。右側のozVGA列がRealVGA化時のフォント設定です。

  • (Menu&Bar Font):画面下部のメニューで使われるフォント設定
  • (System Font):システムフォント設定
  • (Boldの左右にあるチェックBOX):チェックを入れると、フォントを太字にする
  • (Hor.Scrollbar):横スクロールバーの太さ
  • (Ver.Scrollbar):縦スクロールバーの太さ
  • (Min Scrl Thumb):スクロールバー上のつまみ(単語が思い浮かびません^^;)の最小サイズ
  • (Fonts Arrays):スタートメニュー→設定→システムタブ→画面→文字サイズ で設定できる、5段階文字サイズをカンマ区切りで指定します。

そのほかの設定やタブについては、現状、特に変更しなくて良いと思います。詳細は本家ozVGAの説明をご覧下さい。

ちなみに私のフォント指定は、こんな感じ。太字はRealVGA化時、解除時、両方とも外して、RealVGA化時のフォントの大きさを少し小さくしています。

設定が終わったら、右上のOKボタンを押して、親画面で「Apply & Reset」ボタンを押すと、リセットがかかって、フォント設定が反映されます。

この設定で同じくGSFinder+の画面を見てみると、すっきりして見やすくなりました。フォントの設定は好みに応じて変えると良いと思います。



5.VGATodayItems で、Today画面の文字はみ出し解消

Today画面の、文字はみ出し・・

このozVGAでRealVGA化すると、Today画面がこんな感じになってしまいます。

電話の不在着信、Eメール(ウィルコムメール)、ライトメールの情報行の文字が、ほとんどはみ出してしまってます。
この問題は、なかなか対策が出てきませんでしたが、ついにこれを解消するツールが公開されました。
これら情報行の文字を小さくするのではなく、逆に行を広げることで文字を見えるようにしてくれる、 VGATodayItems です。

VGATodayItems インストール・実行

VGATodayItemsはこちらで公開されています。

作者さんなおさんのブログはこちら。

VGATodayItemsのcabファイルをダウンロードして、W-ZERO3で実行・インストールします。その後、スタートメニュー→設定→個人用タブ→Today から、アイテムの設定を行います。

まず、W-ZERO3デフォルトでチェックが付いている、「電話(不在着信)」「Eメール(ウィルコムメール)」「ライトメール」を必ず外します。(「メール」は元々はみ出さないですし、VGATodayItemsによる置き換えの対象外ですから、外さなくても大丈夫です)

そして、VGATodayItemsで追加された3つのアイテム「TelephoneVGA」「WillcomMailVGA」「LightMailVGA」にチェックを入れます

OKボタンで設定を閉じてToday画面を見ますと、新たに行が広い情報行が下に表示され、文字が見えるようになりました。(^^)

将来、もし行を狭くする方法が見つかっても、狭い方がいい場合(Todayが広くなる)と、広げた方がいい場合(見やすい。タップしやすい。)とありますからね。VGATodayItemsを使い続ける方はきっといらっしゃると思います。



6.VGA Large Keyboard、Happy Tapping Keyboard で、SIP不具合回避

動かない標準SIP

RealVGA化してしまうと、SIP(ソフトウェアキーボードや手書き入力パッド)が使えなくなるという問題があります。ソフトウェアキーボードを出そうとしても、こんな感じで正しく表示されず、機能もしません。
また、右下に「あ」と表示されるはずのSIPアイコンも、SIPを切り替える「」だけが残って、アイコンが表示されません。

この対策としては、他のSIPを使うことで解決します。ここでは、id:KOTETUさんが公開されている、VGA Large Keyboardと、Happy Tapping Keyboardの2つについて、簡単に紹介させて頂きます。好みで使い分けると良いのではないかと思います。

VGA Large Keyboard

VGA Large Keyboardの入手は、こちらから。

VGA Large Keyboardは、VGAに対応したシンプルなSIPです。デフォルトはシンプルなデザインですが、id:kzouさんが綺麗なスキンを公開されています。

RealVGA画面で、VGA Large Keyboardを出すとこんな感じです。スキンはkzouさんのものを使わせて頂いてます。

Happy Tapping Keyboard

Happy Tapping Keyboardの入手は、こちらから。

Happy Tapping Keyboardは、指タップしやすい大きさでまとめられたSIPです。こちらもスキンが色々な方によって作られています。
tf_ftrさんがまとめページを公開されていますので、こちらを参照下さい。

あるデザイナーの雑記@W-ZERO3(改題) ... Happy Tapping Keyboard用スキンページ

RealVGA画面で、Happy Tapping Keyboardを出すとこんな感じです。スキンは、tf_ftrさん作のtiger_grayです。とても格好いいスキンですね。

キーボードを閉じて縦画面で使うことを考えますと、VGA Large Keyboardよりも、指タップでとても快適に入力できるHappy Tapping Keyboardの方が、お勧めです。

手書き入力は・・・

手書き入力パッドの代用としては、フリーで使えるものを私は知りません。。(^-^A;;
ぱっと思いつくものでは、製品のJapanist for PocketPCが思い浮かびますが、こちらはWindowsMobile5はサポートされておらず、W-ZERO3では動作に問題があるとのことです。

どうしてもRealVGAで手書き入力したい!・・・という方は、こちらの 2ch W-ZERO3過去ログ倉庫に行かれて、総合スレを色々探してみると・・・何かいいことがあるかもしれません。(これ以上は、ここでは書けませんので・・(^-^A;;;)

7.RealVGA用の、日本語化MUI・パッチを適用する。

RealVGA化すると、色々なツールのダイアログやレイアウトが崩れてしまい、使いづらくなってしまうことがあります。
ozVGA.cabが公開されているMUI公開所では、色々な海外の定番ツールについて、RealVGA化用の日本語化MUI・パッチが提供されています。
2006/03/04現在、以下のツールについて公開されています。danceinthemoodさん、沢山のご提供ありがとうございます。<(_ _)>

    • 日本語化MUI
      • Magic Button Ver2.0
      • PHM Regedit Ver0.70
      • Pocket RAR Ver3.50
      • Terminal Services
    • 配置変更MUI
      • コントロールパネル(※こちらは、ozVGA.cabに同梱されていますので、ozVGA.cabでRealVGA化されたかたは、別途導入する必要はありません) ozVGA.cabは公開終了しましたので、こちらも導入されることをお勧めします。
      • bLaunch
      • Next Train
      • MSN Messenger
    • 日本語化パッチ
      • NoteM Ver1.21
      • Pocket Wakeup Ver1.1
      • PHM Regedit Ver0.70

また、無線LAN接続切替ツールの配置変更MUIが、ブログの方で公開されています。

8.shellres.dllのRealVGA用MUIの適用など

(注意!! このMUIを適用することで、多大な問題が発生する可能性がありますので、適用する場合は特に自己責任で!)

MUI公開所のコントロールパネル用配置変更MUIを適用しても、例えば、設定のToday→アイテムの画面など、左上に偏って各コントロールが配置されるものがあります。

これは、単純にMUIを適用するだけでは反映できないdllの中で、リソース定義されているためだと思われます。
こういった画面の配置を変更するMUI+証明書をセットにしたものを、id:danceinthemoodさんが公開されています。

なんでも日記 - shellres.dllのRealVGA用MUI

ダウンロードは、上記リンク先のエントリータイトル「shellres.dllのRealVGA用MUI」からできます。

インストール手順については、リンク先でid:danceinthemoodさんが紹介されています。また、MUI公開所で公開されているコントロールパネル配置調整MUIとは、別の画面を調整するものだと思いますので、両方を導入されることをお勧めします。

まず先に、danceinthemood_cert.cabをインストールして、それからshellres.cabをインストールします。この順番を守らないと、MUIが正しく適用されないので、ご注意下さい。
shellres.cabのインストール後、再起動すると、コントロールパネルの一部の画面について、画面配置が変更されます。
先ほどのToday→アイテムの画面はこんな感じになります。

そのほか、画面左上に各項目が詰まって配置されていた画面が、画面いっぱいに広がります。私がざっと見た限りでは、細かいレイアウト調整を含めますと、かなりの数の画面について調整が行われます。

初めにも書きましたが、このMUIの適用によって問題が発生する可能性もあります。適用する場合は特にご注意下さい。(そもそもRealVGA化自体、自己責任でするべきことではありますが)


また、標準メールソフトの、主にオプション設定画面の配置を調整する、outres.dllのRealVGA用MUIも公開されています。

なんでも日記 - outres.dllのRealVGA用MUI

インストール手順は、上記リンク先にあるid:danceinthemoodさんの説明をご覧下さい。すでにshellres.dll用のMUIを適用でdanceinthemood_cert.cabをインストールされている方はoutres.cabのインストールだけでOK。そうでない方は、まずdanceinthemood_cert.cabをインストールしてから、outres.cabをインストールします。
outres.dllの適用前でこのように左上に偏って配置されている画面が

MUIを適用することで、こんな配置になります。

こちらは適用しなくても大きな不便はないと思いますので、必要と思う方だけ、インストールされると良いと思います。

9.最後に

RealVGA化は、メーカーがサポートしているものではなく、色々と問題は出てくると思いますので、導入される方はご注意下さい。
また今後、他に新しい手法が発見される可能性は大きいですね。その時は、またこのレビューを更新して、まとめを継続していこうと思っています。

便利なツールを公開して下さっている、danceinthemoodさん、なおさん、KOTETUさんには本当に感謝です。ありがとうございました。<(_ _)>


10.参考記事

シップさんによる、ozVGA導入の詳しい解説


私が以前に書いたRealVGA化記事。danceinthemoodさんによる、コントロールパネル設定画面を調整するMUIの効果など。

11.このレビューの更新履歴

  • 2006/06/08
    • id:danceinthemoodさんが公開された、outres.dllのRealVGA用MUIについて追記。あと、ozVGAのSettingの私の設定例が、変な設定になっていたので修正。(FontsArraysのozVGA設定に、フォント指定が4つしか入っていなかったです・・・今頃気がつくとは。。orz)
      また、tf_ftrさんによるHappyTappingKeyboard用スキンのまとめページを追加し、スクリーンショットもtf_ftrさんのtiger_grayに変更。やはりVGA Large KeyboardよりHappy Tapping Keyboardがお勧めですから、少しプッシュしないと、ということで(^^;
  • 2006/06/05
    • id:danceinthemoodさんが公開された、shellres.dllのRealVGA用MUIについて追記。
  • 2006/04/19
    • ozVGA.cabの配布終了に伴い、簡単にその辺りを追記。ホーミンさんの紹介された方法をベースにしたRealVGA化については、またいずれ更新できれば・・と(^^;
  • 2006/04/15
  • 2006/03/16
    • VGATodayItemsの公開URIが変更になったため修正。
    • danceinthemoodさんのMUIがいくつか追加になったので追記。
  • 2006/03/06
    • 概要に、注意書きを追記しました。RealVGA化に失敗して、結局フォーマットリセットしたという声もありますので、試される方は十分に準備をして、かつ自己責任でお願いいたします。
  • 2006/03/04 (2回目)
    • 導入手順自体はシンプルなのに、だらだらと長いので(^^;、わかる方向けに、先頭に要約を追加。他、文面を微修正。あとdanceinthemoodさんのRealVGA化用日本語化MUIの記述が漏れていましたので、追記。
  • 2006/03/04
    • なおさんが、VGATodayItemsの公開をこちらにご報告して下さり、内心、キターーーーー!!という嬉しさから(^-^A;、これは改めて今現在のRealVGA化をまとめないと!という勢いで作成。